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ピロリ菌の再感染について

2015/03/23

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みなさんこんにちは。福岡市南区五十川にある竹山ファミリークリニック 院長竹山です。

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本日はピロリ菌のお話です。

胃の中にピロリ菌感染が確認された場合、ピロリ菌を除菌することで胃の病気を減らすことができるということをご存知の方も多いと思います。

日本ヘリコバクター学会のガイドラインでもピロリ菌感染が確認された場合には病気の予防と治療のため除菌治療をすることがすすめられています。

そして無事にピロリ菌治療に成功した方からのおたずねで多いのが、「またピロリ菌に感染することはありますか?」という質問です。

せっかくいなくなったピロリ菌がまた住み着くことにならないか、やはり心配ですよね。

 

実際はどうかというと、ピロリ菌の再感染はかなり少ない確率のようです。

これまで日本で行われたいくつかの研究では、ピロリ菌除菌後の再発率は0..22~2%と報告されています。

「再発」の中には「再感染」と「再陽性化」が含まれます。除菌後新たに感染する「再感染」と、除菌で完全ではなく一度消えたようにみえた後再度反応を示すようになる「再陽性化」があるということです。(本当は感染があるのに検査で陰性にみえてしまうのを「偽陰性」といいます)

そして「再発」のうち、「再感染」よりも「再陽性化」のほうが多いのではないかといわれていて、「再感染」する確率はもっと低いと考えられています。

学会のガイドラインでによる尿素呼気試験による除菌効果判定は、ピロリ菌除菌後1か月後以後であればOKということになってます。しかしながら除菌後2ヶ月以内の効果判定では再発率が5.5%だったという報告があり、効果判定が早いと「偽陰性」が多くなり「再発」の確率が増えてしまうという指摘があります。

当院でも「偽陰性」を避けるために、除菌後は少なくとも2ヶ月は空けて確認の検査をしていただくようにしております。

又、ピロリ菌の主な感染ルートとして「水」が考えられているのですが、上下水道の衛生環境が整うにしたがって感染率が低くなっています。海外の文献では再発率が10%を超えているものもありますが、上下水道の衛生環境の違いなどによる差も関係しているようです。現在衛生環境が整ってきた日本では「水」を介する感染の機会は少ないといわれています。

一般には大人になってからのピロリ菌感染は自然治癒しやすいといもいわれていますが、一方で遺伝子型の違うピロリ菌に感染したという報告もあり再感染が全くないというわけではなさそうです。

 

というわけでピロリ菌除菌後の「再発」はかなり少ないといえるのですがゼロではありません。除菌後も引き続き年1回が胃カメラを受け、ピロリ菌の再感染が疑われるような場合は確認してもらいましょう。

当クリニックへは、横手方面から車で約5分です。高木郵便局を目印にお越しください

 

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