ブログ

【とねりこ便り 2024.9.10月号より】

2024/09/02

Pocket

今年の夏は例年以上に厳しい暑さが続き、35℃以上の猛暑日が各地で頻発しました。

日中の気温が高いだけでなく夜も寝苦しい日が続き、常に熱中症や体調管理に気を配る必要がありました。

そんな過酷な気候のなか2024年パリ五輪が開催され、選手たちの素晴らしいパフォーマンスは暑さを忘れるほどの興奮と感動をもたらしてくれました。

ところで、今年はかつて「オリンピック病」と呼ばれていた病気が流行したことをご存知でしょうか?

オリンピック病とは「マイコプラズマ肺炎」のことで、流行期が4年周期で夏季オリンピックと重なっていたことから、この名が付けられました。最近はその周期が崩れていましたが、今年は8年ぶりの流行となっています。

マイコプラズマは細菌の一種で、小児や若年層の肺炎の原因菌として比較的多く見られ、罹患者の80%は14歳以下です。

感染は飛沫(くしゃみや咳)や接触によって広がります。感染力は強くないので集団感染は起こりにくいものの、濃厚接触のある場や家族内での発症は時々見られます。

潜伏期間は2〜3週間と長く、発熱や倦怠感の後に咳が出現し、咳が長引くことがしばしばです。軽症であることが多い(”歩く肺炎”の呼び名)ですが、肺炎のほかに様々な合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。

治療には抗菌薬(抗生物質)が使用されますが、マイコプラズマに有効な抗菌薬は限られているため、発症初期に正確かつ迅速な診断が求められます。診断に用いられる検査方法には血液検査、抗原検査、PCR検査などがありますが、それぞれに長所と短所があるため、臨床現場では症状や経過、レントゲンなどを総合的に判断して行われます。

当院では、抗原検査の一つである超高感度イムノクロマト法と分析装置を導入し、従来の抗原検査と比べてより迅速かつ正確な診断ができるよう対応しています。

残暑が続き種々の感染症の流行も懸念されますが、オリンピック・パラリンピックで得た元気を糧に、みんなで健康に留意し乗り越えていきましょう!

Y.T.

 

PAGE TOP