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【とねりこ便り 2024.新春号より】

2024/01/04

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昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。

本年もさらに医療知識・技能を磨き、質の高い医療を提供できるように精進してまいります。

温かくみなさんをお迎えし真摯に向き合っていきたいと思いますので、変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


今年の干支は「辰」ですね。

覚えやすくするために神話上の「竜」が当てられており、十二支のうち唯一想像上の生物です。

(竜の起源は、古代中国で生息のち絶滅し伝説化したワニの一種と考えられているそうです。意味としては、草木の形が整った様子を表す語だそうです)

ところが、漢方の生薬には「竜骨」が使われているのをご存知でしょうか。

ちなみに「タツノオトシゴ」は「海馬」という生薬で全く別物です。

「竜骨」は古代中国では「死んだ竜の骨である」とされ、『神農本草経』(西暦1〜2世紀ごろ)では命を養い、天に応ずる「上品」薬に分類され、経験的に不老長寿の薬とされてきました。

竜の骨であってくれたほうがロマン溢れるのですが、やはりそんなことはなく、現在は、日本薬局方で「大型ほ乳動物の化石化した骨で、主として炭酸カルシウムからなる」と定義されています。

流通する段階ですでに細かく破砕されているため基原動物同定は困難な状況のようですが、多様な動物(ウシ科、シカ科、ウマ科など)の化石の骨・歯が混在した状態であるとのことです。

ちなみに産地によっては「恐竜」の化石も含まれている可能性が指摘されています。

薬効的には精神安定・鎮静の効能があり、驚き・恐れ・精神的ストレスにより心神が擾乱されて生じる煩躁・狂躁・易怒・不眠などの精神不安定に対して有効な薬物です。

エキス製剤では「柴胡加竜骨牡蛎湯」「桂枝加竜骨牡蛎湯」に含まれています。

西洋薬の安定剤や抗うつ薬が合わない方や効果不十分な方ではこのような漢方治療も有効な場合があります。

しかし先に述べたように原材料が動物化石であるため資源の枯渇や環境破壊の可能性が懸念されているところです。

現代のようなストレス社会においては特に大事な生薬の一つでもありますので、代替品が開発・発見されることを待ち望んでいます。


最後に、わたくし12月上旬に山口県角島へサイクリングに行ってきました♪

今年も運動(Myリフレッシュ)を心がけて元気に頑張ります!(^^)!

 

 

 

Y.T.

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